発電所ガントリークレーンレール基礎の不同沈下修正工事(長野県)~JOG工法による安全性回復~

発電所ガントリークレーンレール基礎の不同沈下修正工事(長野県)~JOG工法による安全性回復~

不等沈下によりレール間に高低差が発生し、走行時の脱線リスクが高まったガントリークレーン基礎を、JOG工法で安全に復元した事例

建築物概要

所在地 長野県
建物名 ガントリークレーン基礎
構造・規模 レール基礎及び土間
基礎構造 直接基礎
復元総重量 約 -t
復元平面積 146 m²
最大沈下量 90 mm
支持地盤土質 礫混り砂質土
注入孔数 30ポイント
工期 8日間

実施概要

長野県にある発電所において、ガントリークレーンレール基礎および周辺土間(約146㎡)で不等沈下が発生していた。
レール基礎下部の地盤が不均一に沈下したことで、レール間に標高差が生じ、クレーン走行時に脱線の危険性があり、日常業務にも支障をきたす状況であった。

また、レール付近に設置された放水庭の安全柵では、基礎コンクリートの損傷が部分的に確認され、このまま進行すると安全柵としての機能を喪失する恐れがあった。
これらを早期に修繕し、設備保全と安全性を確保することが求められていた。

実施施工

JOG施工対象範囲(約150㎡)をマーキングし、均等に注入管を配置する計画で削孔を開始した。
計画削孔数は32孔であったが、山側の壁付近(測点⑪周辺)では削孔長1.2mに達しても貫通しなかったため、削孔を断念。代わりに周辺の注入管位置を調整し、測点⑪をカバーする配置とした。

注入本数は2本減らして合計30本とし、中結グラウトによる空隙充填と反力造成を目的に注入を開始した。
しかし、側溝やケーブルピットへの流入が多量に発生したため、即座にグラウト材を瞬結タイプへ切り替え、注入管直下で固化させながら空隙を充填・固定する方法に変更した。

瞬結材への切替えによりピット・側溝への流出は収まり、レール基礎は徐々に隆起を開始。
その後は、瞬結グラウトで空隙を止め、続いて中結グラウトで間詰め充填する二段階注入により、リバウンドもなく安定したレベル調整を実現した。
最終的に、レール機能と安全柵の基礎性能を確保し、施工は安全に完了した。

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