令和8年熊本地震から1か月 液状化・地盤沈下の被害から、私たちが改めて考えること

2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」から、1か月が経過した。

熊本県宇城市・氷川町では最大震度7を観測し、住宅だけでなく、道路や上下水道などのインフラにも被害が広がった。現在も避難生活を続ける人や、被害を受けた住宅で不自由な暮らしを余儀なくされている人がいる。

地震による被害は、発生直後に目に見えるものだけではない。

時間が経過するにつれて、建物の傾きや地盤の沈下、基礎のひび割れなど、「地盤」に起因する被害が明らかになることもある。

地盤改良・建物の沈下修正を専門とする平成テクノス株式会社は、今回の地震を受け、改めて「液状化」「地盤沈下」「不同沈下」に注意を向ける必要があると指摘する。

揺れが収まっても、地盤の変化は残る

地震による建物被害と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、建物の倒壊や外壁の損壊、屋根瓦の落下といった強い揺れによる直接的な被害だろう。

しかし、地震では建物だけでなく、その建物を支えている「地盤」そのものが大きく変化することがある。

その代表的な現象が液状化だ。

地下水位が高く、砂質の緩い地盤などでは、強い揺れによって地盤が一時的に液体のような状態になることがある。

液状化が起きると、噴砂や噴水、道路や敷地の陥没・隆起だけでなく、建物を支えている地盤の支持力が低下し、基礎が沈下する場合がある。

中でも建物への影響が大きいのが「不同沈下」だ。

建物全体が均等に沈むのではなく、一部分だけが大きく沈むことで、建物そのものに傾きが生じる。

「地震の後から扉が閉まりにくくなった」
「壁や基礎に、それまでなかったひび割れができた」
「部屋にいると床が傾いているように感じる」
「地震直後よりも、建物の傾きが気になるようになった」

こうした変化は、建物そのものではなく、地盤や基礎に原因がある可能性も考えられる。

地震の揺れが収まったからといって、建物への影響がすべて終わったとは限らない。

過去の地震後に行った「対策」が問われる

今回の地震で改めて注目されるのが、過去に液状化被害を受けた地域で、その後どのような対策が行われてきたかという点だ。

2016年の熊本地震では、熊本県内の広い範囲で液状化による住宅や道路への被害が確認された。

その後、一部の地域では、地下水位を下げることで液状化の発生リスクを低減する「地下水位低下工法」など、地域単位での対策が進められてきた。

一方、こうした対策には多額の費用がかかる。地域全体で実施する場合には、住民間の合意形成や費用負担といった問題も避けて通れない。

そのため、必要性が認識されながらも、対策に至らなかった地域もある。

今回の地震では、過去の震災後にどのような地盤対策を行ったかによって、再び大きな地震に襲われた際の被害に違いが生じたとする事例も報じられている。

地震が起きてから復旧するだけでなく、
「自分たちが暮らしている土地が、どのような地盤なのかを平時から知っておく」
ことの重要性が、改めて浮き彫りになったと言える。

傾いた建物は「解体」するしかないのか

液状化や地盤沈下によって住宅が傾くと、「もう建て替えるしかない」と考える人も少なくない。

しかし、必ずしもそうとは限らない。

建物そのものの損傷状況や基礎構造、沈下量、地盤条件などによっては、既存の建物を残したまま傾きを修正できるケースがある。

平成テクノスでは、建物の沈下や傾斜を計測し、基礎構造や地盤条件などを確認したうえで、それぞれの状況に応じた修正方法を検討している。

同社が重視するのは、「傾いたから持ち上げる」という単純な考え方ではない。

なぜ、その建物は沈下したのか。
現在の地盤はどのような状態なのか。
沈下はすでに収束しているのか、それとも今後も進行する可能性があるのか。
建物のどの部分を、どこまで修正する必要があるのか。

原因を見極めないまま建物だけを元の高さに戻しても、根本的な問題の解決にならない場合があるからだ。

東日本大震災、能登半島地震――震災現場で蓄積してきた経験

平成テクノス株式会社は1989年の創業以来、地盤改良や建物の沈下修正を専門としてきた。

一般住宅だけでなく、工場、倉庫、店舗、公共施設など、さまざまな構造物の沈下・傾斜に対応している。

また、東日本大震災や令和6年能登半島地震など、過去の大規模地震で発生した建物の沈下や傾斜にも向き合ってきた。

同じ「液状化による沈下」であっても、地盤条件や建物構造、基礎形式、沈下量は一つひとつ異なる。

過去の経験をそのまま当てはめるのではなく、現場ごとに原因を確認し、最適な方法を検討する必要があるという。

そして、震災現場で得られた知見を、次の地震への備えや技術の向上につなげていく。

それもまた、地盤を扱う専門会社に求められる役割の一つだ。

「いつもと違う」が、建物からのサインかもしれない

地盤の異常は、専門家でなければ気付けないものばかりではない。

地震の前後で住宅や建物を比較すると、日常生活の中で異変に気付くこともある。

例えば、これまで問題なく開閉できていた扉や窓が急に閉まりにくくなった場合。

壁や基礎に新しいひび割れが生じた場合。

床を歩いたときに傾きを感じるようになった場合。

建物と地面の間に隙間ができたり、敷地内に噴砂や陥没が確認された場合。

こうした変化があれば、地盤や基礎に何らかの変化が起きている可能性もある。

すべてが危険な状態を意味するわけではないが、「以前とは違う」と感じた場合には、早い段階で専門家による確認を受けることが一つの選択肢になる。

地震大国・日本で「地盤を知る」という備え

地震そのものを防ぐことはできない。

しかし、自宅や建物がどのような地盤の上に建っているのかを知り、過去にその地域で液状化や地盤沈下が発生していないかを確認しておくことはできる。

そして被災した場合にも、建物の状態を正しく把握することで、「解体」「建て替え」だけではない選択肢が見つかる可能性がある。

平成テクノスでは、住宅をはじめ、工場・倉庫・店舗・公共施設などの建物について、地盤沈下や不同沈下、建物の傾斜に関する相談を受け付けている。

「この傾きは修正できるのか」
「建物を壊さずに直す方法はあるのか」
「まず現在の状態だけ確認したい」

そうした段階からでも相談できるという。

地震発生から1か月。
復旧・復興への長い歩みが続く中、今回の熊本地震は、私たちに改めて「建物だけでなく、その下にある地盤を見る」という視点の大切さを問いかけている。

令和8年熊本地震で被災されたすべての方々に、心よりお見舞い申し上げます。

また、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された地域の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

平成テクノス株式会社

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