台風や集中豪雨が地盤に与える影響と対策

毎年夏から秋にかけて、日本は台風や集中豪雨に見舞われます。これらの気象現象は、建物だけでなく地盤にも大きな影響を与える可能性があります。今回は、台風や集中豪雨が地盤に与える影響と、その対策法について詳しくご紹介いたします。

台風・集中豪雨が地盤に与える主な影響

気象災害が地盤に与える影響は、一時的なものと長期的なものに分けられます。主な影響を以下に示します。

  • 地盤の水分飽和:大量の降水により地盤が水分で飽和し、支持力が一時的に低下
  • 地下水位の急激な変化:短時間での水位変動による地盤内部の圧力変化
  • 表層地盤の洗掘:激しい雨水の流れによる土壌の流出や侵食
  • 地盤内の空洞形成:地下水の急速な流動による土砂の移動や空洞の発生
  • 粘土層の軟弱化:粘土質の地盤では、水分吸収により一時的に柔らかくなり支持力が減少

台風・豪雨時に特に注意が必要な地盤

すべての地盤が同等にリスクを抱えるわけではありません。以下のような地盤では、特に注意が必要です。

  • 軟弱地盤:粘土や泊土、盛土などの軟弱な地盤
  • 埋立地:旧池や永田、沖積地など、人工的に埋め立てられた土地
  • 水脇の弱い地盤:排水性が悪く、水がたまりやすい地盤
  • 急傾斜地:雨水の流出や土砂崩れのリスクが高い場所
  • 河川や池の近く:水位変動の影響を受けやすい立地

災害前の事前準備

台風や集中豪雨に備えて、事前に以下の準備をしておくことが重要です。

  • 排水システムの点検:雨樋や排水溝の清掃、詰まりの除去
  • 建物周辺の整理:雨水の滞留や水の逆流を防ぐための整備
  • 地盤状態の事前確認:既存のクラックや沈下箇所の記録と状態把握
  • 緊急連絡先の確認:専門業者や関係機関の連絡先を事前に確認
  • 応急用品の準備:ブルーシートや土 、写真撮影用カメラなど

災害中の安全確認と応急対応

台風や豪雨の最中は危険ですが、安全が確保できる範囲で以下の点を確認しましょう。

  • 室内からの目視確認:窓から外の状況を確認し、地面の変化や水たまりをチェック
  • 建物内部の変化:新しいクラックやドアの不具合、床の傾きなど
  • 音や振動の変化:普段と異なる音や振動がないか注意深く聞く
  • 水漏れや湿気:天井や壁からの水漏れ、異常な湿気の発生

災害後の点検と応急対応

台風や豪雨が通過した後は、できるだけ早く地盤や建物の状態を確認しましょう。

緊急点検ポイント

  • 建物周辺の地面:新しいクラック、段差、陥没の有無
  • 基礎部分:基礎コンクリートのクラック、欠損、水漏れ
  • 外壁や内壁:新しいクラックや既存クラックの拡大
  • 建具の動作:ドアや窓の開閉状態、ふすまの歪み
  • 排水設備:雨樋や排水管の損傷、詰まりの状況

専門家に相談すべき状況

以下のような症状が確認された場合は、速やかに専門家に相談してください。

  • 建物の明らかな傾きや沈下
  • 幅や長さが大きなクラック(2mm以上)
  • ドアや窓が全く開かない状態
  • 床の明らかな傾きや段差
  • 継続的な水漏れや湿気

地盤沈下の予防と強化対策

台風や豪雨での被害を最小限に抑えるためには、事前の予防対策が重要です。

  • 定期的な地盤診断:年に1~2回の専門的な地盤状態のチェック
  • 排水性の改善:建物周辺の排水整備や透水性の向上
  • JOG工法による予防的改良:地盤の支持力を事前に強化し、水害リスクを減少
  • 建物の耐震・耐水化:基礎部分の防水処理や耐久性向上

アフターケアと継続監視

災害後に必要な応急対応を行った後も、継続的な監視が重要です。地盤や建物の状態は時間の経過とともに変化することがあり、早期の専門的な診断と適切なメンテナンスが必要です。

台風や集中豪雨への備えや、災害後の地盤チェックについてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。弊社では24時間緊急対応を行っており、災害時の応急診断も実施しております。

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