(近隣の掘削工事による影響・実施例)
建築物概要
| 所在地 | 福岡県 |
|---|---|
| 建物名 | 受水槽 |
| 構造・規模 | RC設備基礎 |
| 基礎構造 | ベタ基礎 |
| 復元総重量 | 約 100 t |
| 復元平面積 | 79.6m² |
| 最大沈下量 | 182 mm |
| 指示地盤土質 | 粘土混じりの砂礫層 |
| 注入孔数 | 12ポイント |
| 工期 | 7日間 |
実施概要
福岡県にある某マンションの受水槽基礎に不同沈下が発生した。
隣接地にて橋脚の施工が行われた際、対象物から約2m離れた箇所を約8m掘削したことにより、受水槽下部の地盤が緩み、支持力が低下したものと推測された。
地盤構成は、地表から約6.5m付近までは粘土混じりの砂礫層が分布し、その下層の約8m付近には粘性土層が確認された。これらの層は地下掘削の影響を受けやすく、空気や水圧の変化によって緩みが生じやすい特性を持っていた。この緩みが原因となり、受水槽基礎は最大182ミリの不同沈下を起こしていた。
実施施工
不同沈下の修正および地盤支持力の回復を目的にJOG工法®を採用した。
施工にあたっては、レーザーレベルおよび高精度変位測定装置によって受水槽の変位を常時計測管理しながら、薬液を段階的に注入した。
薬液により粘性土層および砂礫層を再圧密し、地盤の締固めを行った結果、基礎は徐々に持ち上がり、設計レベルに復元できた。施工後の確認では、受水槽本体および基礎の安定性に問題は認められなかった。