農地造成地に建設された複合商業施設で、土間フロアがすり鉢状に沈下。営業を止めず、夜間のみの施工で安全にレベル回復を行った事例
建築物概要
| 所在地 | 中国地方 | 
|---|---|
| 建物名 | 大型複合施設 | 
| 構造・規模 | 鉄骨平屋 | 
| 基礎構造 | 土間基礎 | 
| 復元総重量 | 約 ―t | 
| 復元平面積 | 約2245m² | 
| 最大沈下量 | 100mm | 
| 指示地盤土質 | 砂質シルト | 
| 注入孔数 | 339ポイント | 
| 工期 | 77日間 | 
実施概要
中国地方にある郊外型の大型スーパーおよびホームセンターの複合施設では、元々農地であった土地を造成して建設されていた。
造成された盛土下部はN値0の砂質シルトで構成される極めて軟弱な地盤であり、支持層はGL-12mと深く、建物本体には杭基礎が採用されていた。
しかし、フロア(土間)部には杭や地盤改良などの特別な対策が行われておらず、開業からわずか数年で大規模なすり鉢状沈下が発生した。
床面の段差や傾斜は物流機器や買い物カートの走行に支障をきたし、早急なレベル修正が必要な状態であった。
実施施工
営業を停止することができないため、施工はすべて夜間に限定して行った。
特別設計の注入管ヘッドを床面に設置し、昼間の営業に支障をきたすことなく作業スペースを最小限に抑えた。
JOG工法によって地盤下部に薬液を注入し、沈下したフロアを段階的にリフトアップさせ、水平状態に復元した。
レーザーレベルによる高精度な変位測定を行いながら施工を進めた結果、安全かつ短期間で不同沈下を解消することができた。
 
  