災害時のヘリポート機能を有する防災拠点で、許容限界に迫る不同沈下が進行。施設を稼働させたまま段階施工で沈下修正を行った事例
建築物概要
| 所在地 | 近畿 | 
|---|---|
| 建物名 | 格納庫 | 
| 構造・規模 | S造 | 
| 基礎構造 | 直接基礎(独立基礎、一部ピットベタ基礎) | 
| 復元総重量 | 約 – t | 
| 復元平面積 | 1950 m² | 
| 最大沈下量 | 180 mm | 
| 指示地盤土質 | 埋立地 | 
| 注入孔数 | 193ポイント | 
| 工期 | 50日間 | 
実施概要
近畿地方に位置する重要防災拠点施設において、有害な不等沈下の発生を監視するため、建設後より半年に1回のレベル計測が実施されていた。
周辺地盤では圧密沈下が継続しており、令和4年3月時点(建設から4年経過)で許容限界値の80%に相当する不同沈下が確認された。
このままの速度で沈下が進行した場合、施設の大型開口部(スライダー扉)が開閉不良となり、ヘリの離着陸や緊急対応業務に支障をきたす恐れがあった。
実施施工
施設の運用を止めることができないため、施工エリアを2工区に分割し、常に稼働状態を維持したまま工事を実施した。
JOG工法を採用し、不同沈下が発生していた地盤に薬液を注入して支持力を回復させ、建物を段階的にリフトアップした。
施工中はオートレベルを用いた高精度管理を行い、安全な範囲で沈下修正を完了した。施工後は施設機能に支障は見られず、安定した水平状態を維持していることを確認した。
 
  