総重量50トンの燃料油タンクで不同沈下が発生。ジャッキアップや土台上げは安全性と施工規模の問題から採用を断念し、稼働継続が可能なJOG工法による修正を実施した事例
建築物概要
| 所在地 | 愛媛県 | 
|---|---|
| 建物名 | 燃料油タンク | 
| 構造・規模 | タンク基礎 | 
| 基礎構造 | 直接基礎(タンク基礎) | 
| 復元総重量 | 約 50 t | 
| 復元平面積 | 16 m² | 
| 最大沈下量 | 83 mm | 
| 指示地盤土質 | 埋立地 | 
| 注入孔数 | 8ポイント | 
| 工期 | 6日間 | 
実施概要
愛媛県にある平成5年完成の燃料油タンク(タンク総重量50トン、基礎重量30.7トン)において、40mmから80mmの沈下が発生し、そのうち不同沈下量は約40mmに達していた。
燃料タンクという性質上、内容物を抜くことが難しく、タンクの傾斜は安全性の低下や漏洩リスク、メンテナンス上の問題を引き起こす懸念があった。
ジャッキアップ工法は施工規模が大掛かりになり、土台上げでは基礎とタンクの一体性が確保できないことから、安全性に不安が残ると判断された。
実施施工
重量構造物でも沈下修正が可能なJOG工法を採用し、タンクを稼働させたまま、地盤に薬液を段階的に注入して支持力を回復させつつ水平復元を行った。
施工中はオートレベルによる高精度変位測定を実施し、慎重にリフトアップを行うことで、タンクおよび基礎への負荷を最小限に抑え、安全かつ確実なレベル調整を達成した。
施工後は不同沈下が解消され、タンクの水平性が回復し、安全運用が継続可能な状態となった。
 
  