地下構造部からの細砂流出に起因する支持地盤の劣化を補強し、建物を精密に復元
建築物概要
| 所在地 | 台湾高雄市三民区 |
|---|---|
| 建物名 | 11階建てビル |
| 構造・規模 | 地下2階、地上11階建てRC造 |
| 基礎構造 | ベタ基礎 |
| 復元総重量 | 約 – |
| 復元平面積 | 約276 m² |
| 最大沈下量 | 約 86 mm |
| 支持地盤土質 | 砂質粘土、黄色細砂互層 |
| 注入孔数 | 28ポイント |
| 工期 | 50日間 |
実施概要
本案件は、台湾・高雄市に位置する地上11階・地下2階のRC造ビジネスホテルである。
当該建物は高雄駅から徒歩圏内にあり、周辺には観光施設も点在する立地にあるが、2022年以降は休業状態となっていた。
建物の沈下原因について明確な特定には至らなかったものの、
地下2階ピット内の調査において、基礎底盤の排水口のような穴からの湧水および細砂の流出が確認された。
さらに、長年にわたり微細な砂分が流出したことにより、
基礎直下の支持地盤に空隙の発生および地盤の緩みが生じ、
これが不同沈下の主因となった可能性が高いと推測された。
このように、外部からは確認しにくい地下部の変状が進行することで、
建物全体に影響を及ぼす典型的な沈下事例であった。
実施施工
まず初めに、沈下の進行を抑制するため、
基礎底盤に存在していた複数の排水口ような開口部の閉塞処理を実施した。
次に、基礎直下の支持地盤については、
長年の砂流出により空隙化・緩みが進行していたため、
当初の計画注入量に加え、流出した体積分を補填するための先行注入を実施した。
これにより、地盤内に十分な充填と密実化を図り、
反力支持地盤を再構築した状態を確保した。
その後、JOG工法による注入を段階的に行い、
基礎全体に均等な反力を与えながら、
建物の沈下修正およびレベル調整を実施した。
結果として、構造物に過度な応力を与えることなく、
安全かつ高精度に沈下修正工事を完了することができた。
台湾における地盤沈下・不同沈下対策として、
JOG工法は既存構造物を解体することなく、基礎ごと高精度に復元可能な工法として多くの実績を有しております。
特に、
- 都市部での施工制約が厳しい現場
- 供用中施設の沈下修正
- 杭を使用していない直接基礎構造物
- 液状化・圧密沈下が混在する地盤条件
といったケースにおいて、施工性・経済性・精度のバランスに優れたソリューションをご提供できます。
また、JOG工法は反力を確認しながら施工を進めるため、
従来工法では対応が難しい複雑な不同沈下にも柔軟に対応可能です。
台湾における今後の都市開発や既存ストックの維持更新において、
ゼネコン各社様の施工計画・技術提案の一つとして、
ぜひ本工法の採用をご検討いただければ幸いです。
現地条件に応じた技術検討・試験施工・共同検証など、
プロジェクト初期段階からのご相談にも柔軟に対応いたします。