豪雨による浸水で基礎の浮き上がり被害
建築物概要
所在地 | 長野県長野市 |
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建物名 | 住宅 |
構造・規模 | 木造2階建住宅 |
基礎構造 | ベタ基礎 |
復元総重量 | 約 80 t |
復元平面積 | 110 m² |
最大隆起量 | 150 mm |
指示地盤土質 | 砂質地盤 |
注入孔数 | 38ポイント |
工期 | 10日間 |
実施概要
2019年の台風19号の影響により、長野市内の木造住宅が浸水被害を受けた。
近年の高気密・高断熱仕様やベタ基礎・基礎断熱構造の住宅では、浸水時に室内の空気が閉じ込められ、建物全体が浮力を受けて基礎ごと浮き上がる現象が確認されている。
本件住宅も同様に、浸水後に不同沈下と基礎の浮き上がりが発生し、建物に傾きが見られた。
実施施工
床上浸水していたため、一階床の捲り作業を行い、床下の状態を確認した。
建物の傾斜および沈下量をレーザーレベルと高精度変位測定装置で測定し、全体の変位を常時管理した。
沈下修正にはJOG工法®を採用し、建物下部へ薬液を段階的に注入して地盤の支持力を回復させた。
薬液注入後、建物の傾きは改善し、基礎および構造体の安定が確認できた。
修繕後は、基礎の根入れを確保するために地元工務店により盛土が施され、建物全体の安定性がさらに向上した。
施工後は再沈下も見られず、住宅として安全に使用できる状態に復元した。