N値0のシルト質細砂層で発生した不同沈下を、JOG工法により安全に復元したPC機械式駐車場の施工事例
建築物概要
| 所在地 | 岡山県 |
|---|---|
| 建物名 | 機械式駐車場 |
| 構造・規模 | ラフト基礎 |
| 基礎構造 | 直接基礎(ラフト基礎) |
| 復元総重量 | 約 ― t |
| 復元平面積 | 216 m² |
| 最大沈下量 | 116 mm |
| 支持地盤土質 | <シルト質細砂/th> |
| 注入孔数 | 24ポイント |
| 工期 | 7日間 |
実施概要
岡山県北区のマンション建設工事内で、PC機械式駐車場(約216㎡)の基礎が不同沈下を起こしていた。
基礎直下の支持層は N値0のシルト質細砂 が主体で、特に ハンマー自沈層が2〜3m連続 する極めて軟弱な地盤であった。
さらに、基礎は t=500mmのW配筋ラフト基礎 であり、地下水位の影響によって浮力が大きく作用し、基礎全体が不安定な状態にあった。
そのため、最大 116mm の不同沈下が確認され、機械式駐車場の設置精度に深刻な影響が及ぶ恐れがあった。
そこで、まず沈下原因となっている 自沈層の支持力そのものを補強する必要がある と判断された。
この対策なくしてリフトアップを行うと、再沈下のリスクが高いため、GSIS工法で地盤強化を行った後にJOG工法で復元する複合施工 が最適解とされた。
実施施工
施工は、まず GSIS工法による地盤強化 から開始した。
ハンマー自沈層2〜3mに対し、注入材を広範囲かつ均一に浸透させ、極端に弱い支持力を改善することに重点を置いた。
この補強により、基礎全体を支える反力が安定し、リフトアップに耐えられる状態が形成された。
次に、強化後の地盤を確認し、JOG工法によるレベル調整に移行した。
多点インターバル方式で注入管を設置し、地盤反力を確認しながら段階的に薬液を注入して基礎を慎重に押し上げた。
また、ラフト基礎は浮力の影響を受けやすいため、レーザーレベルで常時監視し、急激な浮き上がりや偏心変形が発生しないよう注入を細かく制御した。
こうして、最大116mmの不同沈下は安全に復元され、機械式駐車場の設置に必要なレベル精度を確保することができた。
結果として、GSIS工法による地盤強化+JOG工法のリフトアップ という複合的アプローチが奏功し、極めて軟弱な地盤でも確実な復元を実現できた。
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