車両整備工場レール基礎の不同沈下修正工事(中部地方)~圧密沈下による空洞発生への対応~

車両整備工場レール基礎の不同沈下修正工事(中部地方)~圧密沈下による空洞発生への対応~

長年の圧密沈下により空洞と80mmの不同沈下が発生。レールの撓みや車両走行への支障を解消するため、室内環境下で精密管理を行いながらレベル復元を実施した事例

建築物概要

所在地 中部地方
建物名 車両レール基礎
構造・規模 RC基礎
基礎構造 直接基礎
復元総重量 約 ―t
復元平面積 42m²
最大沈下量 80 mm
支持地盤土質 粘性圧密地盤
注入孔数 18ポイント
工期 5日間

実施概要

中部地方の鉄道会社が所有する車両整備工場において、レール基礎および土間(約42㎡)で不同沈下が発生していた。
長年にわたる基礎下地盤の圧密によって空洞が形成され、最大で約80mmの沈下が確認された。
レールは撓みを伴い、工場内の3番レーンおよび隣接する4番レーンでは、沈下による窪みが生じ、車両の乗り入れに支障が出ていた。
また、築約60年の修繕施設であり、レール周囲には架台柱や埋設配管も存在し、傾斜や損傷を避ける施工計画が求められた。

実施施工

施工は室内工事となるため、レーザーレベルで常時隆起管理を実施しながら作業を進めた。
目的は、列車が支障なく通過できる勾配までレベルを戻すことであり、施工範囲両端のレベルに合わせる形で注入作業を開始した。

施工に際して、レール付近には架台柱が4本存在しており、柱の傾斜や土間クラックを随時確認しながら慎重に注入を行った。
さらに、柱A・B間には埋設配管があったため、注入位置を大きくオフセットし、配管損傷のリスクを排除した。

注入が進むと土間およびレールが徐々に隆起したが、同時に柱A・Bがレール外側へ傾斜を始めたため、協議の結果、傾斜限度を2/1000と設定。
最大30mmまで隆起させた時点で傾斜が限界値に達したため、計画に基づき注入を終了した。
作業は5日間で無事完了し、沈下による支障を解消した。

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