竣工1年以内に不同沈下が発生したFRPプールを、底盤を露出させて95ポイントの注入で復元した施工事例
建築物概要
| 所在地 | 香川県 |
|---|---|
| 建物名 | 小学校プール |
| 構造・規模 | FRPプール |
| 基礎構造 | ベタ基礎 |
| 復元総重量 | 約 1000 t |
| 復元平面積 | 725 m² |
| 最大沈下量 | 79 mm |
| 支持地盤土質 | 盛土(礫混り砂) |
| 注入孔数 | 66ポイント |
| 工期 | 11日間 |
実施概要
香川県にある対象プールは、復元対象面積が約 725㎡ と大規模で、最大 79mm の不同沈下が確認されていた。
このプールは 平成26年3月末に竣工 し、翌年 平成27年5月末に沈下が判明。
さらに、5月上旬にはまったく異常が見られなかったため、短期間で急激に沈下が進行したと推測された。
しかし、その後は沈下が進む様子は見られず、沈下量は既に安定域にあった。
構造としては、RC底盤の上に砂層を敷き、その上にFRP(繊維強化プラスチック)パネルを設置する方式 であり、一般的なプールとは異なる特有の構造であった。
そのため、弊社としても 初のFRPプール沈下修正案件 であり、
底盤の状態を直接確認したうえで地盤反力造成を行う必要があると判断された。
こうした背景から、JOG工法の考え方を応用しつつ、プール構造に最適化した施工が求められた。
実施施工
施工にあたっては、まずFRPパネルを捲り上げ、砂層を慎重に掘削して RC底盤を露出 させた。
これは、プール特有の構造が原因で、地盤へ直接薬液(恒久性グラウト)を注入するためには底盤下の状態を正確に把握する必要があったためである。
次に、底盤のレベル調整と地盤反力造成を行うため、95箇所の注入ポイント を設定した。
多点インターバル方式で薬液を段階的に注入し、砂層の空隙・弱層を均一化しながら、底盤全体を慎重に押し上げていった。
さらに施工中は、レーザーレベルで基礎底盤の変位を常時監視し、構造に過度な負荷がかからないよう十分配慮した。
こうして、最大79mmの不同沈下は精密に調整され、プール全体の水平状態を復元することができた。
結果として、FRPプールという特殊構造でありながらも、安全に・確実に沈下修正工事を完了した。
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