液状化で傾斜発生事案、注入によるレベル調整工事
建築物概要
所在地 | Carlton Mill Road, Christchurch, New Zealand |
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建物名 | ホテル |
構造・規模 | RC7階建 |
基礎構造 | ベタ基礎 |
復元総重量 | – |
復元平面積 | – |
最大沈下量 | 100 mm |
指示地盤土質 | 砂質土 |
注入孔数 | -ポイント |
工期 | 50日間 |
実施概要
2011年3月11日、日本では千葉県浦安市が「世界最大の液状化」といわれる被害を受けた。一方、ニュージーランドのクライストチャーチでは、2011年2月のカンタベリー大地震以降も余震のたびに液状化が繰り返し発生している。
特に同地域では「再液状化」により地盤の支持力が回復せず、8年以上経過した現在も復興が進まない状況が続いている。
本件は、同地域に位置する7階建ホテルであり、最大100㎜程度の不同沈下が発生していた。建物の傾きにより営業が困難となり、早急な復旧が求められていた。
実施施工
JOG工法®を採用し、建物下部の地盤に薬液を注入して支持力の回復と不同沈下の修正を行った。
施工中はレーザーレベルおよび高精度変位測定装置を用いて、建物全体の変位を常時管理した。
段階的な注入により建物は徐々に水平へ復元され、全体の沈下量が解消された。施工後は構造体・基礎の健全性を確認し、安全性に問題が無いことを確認できた。
修繕完了後、ホテルは無事稼働を再開した。現在も安定した状態を維持し、再沈下は確認されていない。