新設樋管で発生した不等沈下を、上載盛土を残したままJOG工法で安全に嵩上げ。残留沈下を考慮し最大50cmのレベル復元を行った施工事例
建築物概要
| 所在地 | 岩手県 |
|---|---|
| 建物名 | 樋管 |
| 構造・規模 | PCBOX一部現場打ち |
| 基礎構造 | 直接基礎 |
| 復元総重量 | 約 1100 t(盛土含む) |
| 復元平面積 | 185 m² |
| 最大沈下量 | 360 mm |
| 支持地盤土質 | 粘土層地盤 |
| 注入孔数 | 29ポイント |
| 工期 | 24日間 |
実施概要
岩手県内の新設排水樋管(PCBOX)において、不等沈下の発生が確認された。
支持地盤は粘性土であり、施工後も圧密沈下が進行する地盤条件にあったため、樋管本体に漸次不都合が生じる可能性が高く、早期の嵩上げ修正が望まれていた。
構造物は直接基礎であり、剛性や本体構造に問題は生じていないと判断されたが、長期的な沈下進行による接続部や排水機能への悪影響が懸念されていた。
計画として
① PCBOX 底盤中央に1本ずつ、合計29本のJOG注入管を設置
② 下部改良効果を最大化するため、約3.0mの上載盛土は撤去せず現状のまま施工
が採用された。
実施施工
施工は計画通り、上載盛土を撤去せずにJOG工法で実施した。
これは盛土荷重を利用し、下部地盤の改良効果とリフトアップ効率を高める目的である。
箱型構造物(PCBOX)の底盤中央へ29本の注入管を均等配置し、粘性土特性に合わせたグラウト注入を行いながら段階的に反力を確認。
残留沈下を考慮したレベル設定とし、最大50cmの嵩上げ(リフトアップ)を実施した。
施工中はレベル管理を厳重に行い、構造物の変形やひずみの発生を防ぎつつ、必要な高さへ精密に復元した。
結果として、PCBOXの不等沈下は解消され、排水機能の安定性が確保された。