(超軟弱地盤・実施例)
建築物概要
所在地 | 沖縄県 |
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建物名 | 共同住宅 |
構造・規模 | RC4階建 |
基礎構造 | 独立基礎 |
復元総重量 | 約 1000 t |
復元平面積 | 216m² |
最大沈下量 | 127 mm |
指示地盤土質 | 粘性土・シルト質砂 |
注入孔数 | 19ポイント |
工期 | 30日間 |
実施概要
本建物は施工途中に沈下が発生し、地盤が超軟弱であったため沈下が収まらず、隣接建物同士が互いにぶつかり合うことでようやく沈下が止まっているという、極めて危険な状態にあった。
最大で約14/1000の沈下が確認され、復元工法について検討した結果、工費・工程・安全性などを総合的に考慮し、注入工法の一つであるJOG工法を採用し沈下修繕を行うこととなった。
障害度の指標
- 居住性の限界:傾斜角 15/1000~(傾斜の生理的限界)
- 構造的健全性の限界:傾斜角 8.3/1000~(構造的許容限界値)
実施施工
本件地盤は厚い層でモンケン自沈を示す超軟弱地盤であったため、JOG工法施工に先立ち、支持層まで到達する杭(PGJ工法)を形成した。
ただし、中央部の独立基礎下についてはPGJ工法の施工が不可能であったため、JOGステップUP改良(GSIS)を実施し、建物自重を支持できるよう地盤を強化した。
建築は内装がほぼ仕上がっている段階であったため、各独立基礎の底面中央に向かって、建物外側からコアドリルまたは小型ボーリングマシンにより削孔を行った。注入作業中はオートレベルおよび水盛り計を用いて常時隆起を計測しながら管理を行った。
注入方法としては、反力造成部分には中結性グラウトを注入し、JOGステップUP改良部分については瞬結性の恒性グラウトを基礎下部へ注入することで、安定的な地盤補強を実現した。
NETIS登録No. KK-100070-A