防災の日に寄せて ~地震・液状化・沈下被害とその対策について~

9月1日は「防災の日」。この日に改めて、防災・減災の視点から、地震や地盤被害への備えについて考えていただければと思います
平成テクノス株式会社では、地盤改良・沈下修正を専門とする立場から、この機会に「液状化」「不同沈下」「建物被害」などの現状と、その対策についてご紹介いたします

9月1日は「防災の日」。この日に改めて、防災・減災の視点から、地震や地盤被害への備えについて考えていただければと思います。
平成テクノス株式会社では、地盤改良・沈下修正を専門とする立場から、この機会に「液状化」「不同沈下」「建物被害」などの現状と、その対策についてご紹介いたします

液状化とは

ゆるく堆積した砂質地盤などで、地下水位が高い条件下に強い地震動が加わると、砂粒子が水中で浮いたような状態になり、地盤が「液体のように振る舞う」現象を液状化と呼びます
液状化が起きると、地盤が急に支えを失い、沈下や滑動、噴砂(砂や水が地面から噴き出す現象)を起こします

過去の地震事例と液状化被害

  • 1995年の兵庫県南部地震では、大阪湾沿岸の埋立地で大規模な液状化が発生し、港湾施設などにも甚大な影響が出ました
  • 東日本大震災(2011年)では、関東・東北地域で広域に液状化が発生。住宅地で不同沈下が起き、給水管・ガス管などのライフラインにも被害が出ました
  • 令和6年能登半島地震でも、地盤沈下・液状化現象による住宅の傾き・沈下被害が報告されており、被災地域では沈下修正の相談件数が増えています

液状化そのものによる直接的な人的被害は過去の調査では少ないとされています(例:噴砂や地割れに巻き込まれた3例程度)が、液状化が引き金となって道路が遮断されたり、構造物被害を通じて二次的に危険を生じさせる場合があります

不同沈下・沈下修正 ~建物が傾く原因と回復手法~

不同沈下・地盤沈下による建物被害

液状化や地震動のあと、地盤の支持力が低下することで建物の基礎が不均等に沈む(不同沈下)現象が起こります。これにより、建物は傾斜したり、ひび割れが生じたり、建具(扉・窓)がうまく開閉できなくなるなど、生活上・構造上のトラブルが発生します例えば、軟弱地盤で地盤補強をしていない住宅では、基礎梁に破断が生じたりするケースも報告されています

例えば、軟弱地盤で地盤補強をしていない住宅では、基礎梁に破断が生じたりするケースも報告されています

また、不同沈下による損害賠償を認められた判例もあり、住まいに与える影響は決して小さくありません

沈下修正(不同沈下の回復)技術

沈下して傾いた建築物を修正する対策はいくつかあります。東日本大震災被災地の事例では、以下のような工法が用いられています

  • 注入工法:地盤へセメント系や樹脂系の注入材を打設し、地盤を締め固めたり支持力を回復させたりする方法。比較的迅速でコストも抑えられるケースが多いです
  • 鋼管圧入工法:鋼管を地中に圧入して支持層に達し、建物を持ち上げたり安定化させる方法。信頼性が高いですが、コスト・施工難易度が高め
  • 嵩上げ工法・曳家工法・耐圧板工法:建物全体をジャッキアップして水平を整えたり、基礎そのものを強化・置換したりする方法もあります

これらの工法を適切に選定・施工することで、建物を元の水平状態、または許容範囲内の傾斜に戻すことが可能です

平成テクノスの取り組みと想い

平成テクノス株式会社は、地盤改良・沈下修正を専門とする技術集団として、これまで多くの建物修復・傾き回復を手がけてきました。

  • JOG工法・GSIS工法 のような独自工法を用い、安全性・効率性を追求
  • 災害時の緊急対応力、地盤や施工機器、薬液技術の継続的な研究
  • 最近では、海外(オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・台湾等)からのご依頼も増加
  • また、JR東日本と共同で軌道維持管理に関わる事業も進めており、鉄道インフラ分野でも“地盤安定化技術”を提供

“建物が傾いてしまって困っている”“不同沈下を修正したい”“液状化リスクの高い土地に建てたい/住んでいて心配だ”というお悩みをお持ちの方へ、当社は技術力と実績でお応えします。

おわりに ~防災の視点からのメッセージ~

防災の日を迎えるにあたり、ただ「地震に備える」だけでなく、地盤や建物そのものの安全性を見直すことも重要です。
液状化や不同沈下は、地震の揺れが収まった後にもじわじわと被害を拡大させます。
被害が出てしまってからではなく、事前に地盤調査・設計見直し・改良対策を講じておくことが、被害を最小限に抑える鍵となります。

平成テクノスでは、皆さまが安心して暮らせる建物環境を支えるパートナーとして、これからも地盤・沈下修正技術の研究・実践を続けてまいります。
もし、ご所有の建物で傾き・ひび割れ・不同沈下等が気になる方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

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